役者6人+制作1人で7の椅子。劇団員による稽古場レポートと日々の戯れ事。
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「猫」あとがき
あれから、あのブルーシートの前を通る度、やはり気になってしまう。
深夜にフェンスの内側に入ってみた。裏口の共用部のゴミ置き場からそのフェンスまで道が続いていることに気がついた。
猫が隠れてしまった「板」は、防潮盤である。このビルは5mと離れずに河がある。
毎年台風の時期にはこの河は溢れそうになる。去年は溢れた。もージャブジャブだった。ビルの中も1階は膝まで水が入った。このビルに地下街が無かったのは非常にラッキーだった。
そんなこともあり、すぐに使えるようにと倉庫の奥からひっぱり出したのだろう。で、壁に立てかける際に双方に傷がつかないようにブルーシートを敷いたり、噛ませたりしているのだ。
はぁ、玉よ。この裏で冷たくなってしまっているのかい・・・。と考えつつ、キーホルダーの懐中電灯で照らし覗き込む・・・
なーんにもいね。
僕のとりこし苦労でした。んー、さすがノラ猫。
自由!! ―おわり―
2006・1/31
本年も「7の椅子」をよろしくお願いいたします!
そして、アタクシ、「猫☆魂/エレクトリカルラヴパレード(3/8~13)」に出演してまいります!コチラも共々よろしくですー。
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「猫」6
お椀がブルーシートを「ズズッ」と押した。
玉がゆっくりと振り返り、コチラを見た。
またもや細目のその猫はガクガクしながら小さな4本の足で立ち上がった。
「猫。おで・・」僕が言い終わる前に猫は舌打ち一つ、あっさり歩いて行ってしまった。そして、フェンスの向こうのビルに立てかけられた板の裏に入っていってしまった。
「えーーー。」である。
においを嗅いでくれれば「食べ物」と分かって近づいて来ただろう。しかし、その前に眠りをさまたげられた、「しつこい邪魔な奴」がいるなぁと思われてしまった。
あーガッカリ。 あー不本意。
しばしうろえたのち、冷えたおでんを眺めながら帰った。
仕方ないさ。 ムツゴロウじゃねんだから。
やっぱり僕は、猫は好きではない。
―おわり―

「猫」5
「あ、イヤ・・、猫を・・」って猫はいない。
「君の猫?」
「イヤ・・別に・・」・・ただの怪しい者になってしまう。 そうだそうだ。そこまですることはない。猫だって助けを求めるでもなく、ただ玉に徹しているだけではないか。よし、ここはひとつ何か食べ物でも与えよう。それでいいじゃないか。何か暖かいもの・・・。
そこで家から「おでん」を椀に盛って持ってきた。まだ、温かい。
おお、なかなか気のきいたものがあったじゃないか。と我ながら満足げにフェンスの下から猫の元へと差し入れた。
「猫」4
僕はどうしてもその玉が気になっていた。
その玉はふるえるというよりも痙攣?!ってほど「ゆれ」ていたからである。
それもそのはず今は1月4日お正月、立派な真冬のお外です。いくらふさふさ毛が生えててもそんなトコで寝てたら風邪ひくし、死んでしまうだろうと思った。しかもあの細目・・・ただ事ではない。もうすでに弱っているのかもしれない。
んー、なんとか出来ないものかと思い、また呼んでみた。
「おい、寒いだろ。こっちきな。オイ、猫。」
しかし、反応は無い。ただ玉は背を向け震えているだけ。
手を伸ばして捕まえられればいいのだが、僕と玉との間には針金で編まれた「フェンス」がある。だからどちらかがよじのぼるか、くぐるしかない。
僕にはくぐれないが、玉にはくぐれる。玉にはのぼれないが、僕にはのぼれる。
んー。しかしそこまでする?
そもそもフェンスがあるということは「進入ダメよ」ということである。こえてまで・・・。しかも、僕がよじのぼってるところを玉がフェンスをくぐり、はい出てきたら・・。そして、そこをガードマンに発見されたら・・・。 ―つづくっ―

「猫」3
その晩、ズーっと猫を見ていた気がする。今思うと、猫は人間を地球の支配者だと確信したうえで、絶滅を避ける為に人間に好まれるデザインへと進化しているのでは!というほどカワイかった。
歩いてよし。 あくびしてよし。 かんでよしっ。 こけてよしっ。
おぉ前100パーなーってほど何してもカワイかった。食べちゃいたかった。食べちゃえばよかった。
次の日、友達の「ヒデ」の家へ猫を渡しに行った。道中、僕の運転する自転車のカゴに乗せた小さなダンボールの中で、自転車が跳ねる度に見え隠れする猫を、当時はうれしそうにしているのだと思っていたが、今思うと上下左右に激しくシェイクされ何事かと思っていただろう。ははっ。
ヒデには早く見せたい。しかし、僕のモノではなくなる。そんなことを考えていた。いっそのこと食べてしま・・もいいか。
そこから先は覚えていない。
ん?はたしてこれは良い思い出か?ハッキリ思いだそうとするほどそんなハッピーな感じではなくなる気がする。でもこの記憶は僕の中の「良い思い出」の方にしまわれていた。マゾだったのかしら。ま、不思議な感じである。
オット!今は毛玉猫の話。
―つづく―

「猫」2
小学生の頃に一度猫を拾った。それはダンボールに入っていた。中身はすぐに気がついた。
声が聞こえたからね。
手のひらにのるほどの小さな猫だった。どんだけ震えるんだよってほどプルプルだった。少し不思議に思った、僕以外にもこの道を通ったハズである。
なぜ誰も拾わなかったのだろう・・?
猫をつかみつつ帰りながらそんなことを考えていた。それとは別に両親に何と言おうか、とも考えていた。きっと確実に怒られる、というか断られるだろう。ウチには「ラン」というコリー犬がいた。種類は違えど2匹目はダメだろう。
あぁ、なるほど。皆、飼えないから拾えなかったんだとその時思った。
昔のことなので曖昧な記憶なのだが、父は居らず、母はなぜか布団にくるまりながら「ダメよ!」って言った。 ん?変だな。 あ、朝寝てる母に急に猫を見せたんだった。
あんな寝起きドッキリみたいなマネしなければ「もどしてきなさい!」とは言われなかったかも。
結果、飼い主が見つかるまで飼うことに落ち着いた。しかし、確かあっさりと次の日にはアテが見つかった。
―つづく―

「猫」1
猫を見つけた。
ハッとした。
それはブルーシートの上で丸くなっていた。だから一瞬「ム!毛玉?!」と思った。それにしてはしっかりして・・あ、猫が背を向けて丸くなってるのね。と気がついた。まあるい、明るい茶と白の玉である。
「猫。」と声をかけてみた。
猫はゆっくりとコチラを見上げた。ものっスゴイ細目だった。
またも「ハッ!」としてしまった。ヤバイ、眠る直前のトコ起こしちゃったのかもとも思った。
一応「どうした?こんな所で。」と聞いてみた。猫は2秒くらい僕を見上げた後、目の奥は僕を見なくなり、そのまま顔ごとスライドし、辺りを少し見て元の毛玉に戻った。
僕は猫は好きではない。
普段、猫を見つけても近づく様なまねはしない。昔は猫を見つけるとダッシュで接近し驚かせたりした。
しかし、もう大人ですから。
「あ、猫め。」と思うだけである。
恨みや嫌な思い出があるわけではない、ただなんとなくである。
良い思い出なら一つある。
―つづく―


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